第19回「生活習慣病予防のための健康管理・指導」

■健康診断の記録の活用

衞藤 さらに何かもっとこういうことをしたらということがあるとしたら、どんなことがあり得るでしょうか。日本では母子健康手帳というのはわりに確立していて、健康の記録に意味はあるということは少しずつ保護者も含めて理解され始めていると思うんですけども、学校の健康診断なんてやらされている健康診断だと思っていたり、そのデータが自分のとても大切なものであるという認識が必ずしも定着していないように感じます。健康手帳など日本学校保健会でもプロトタイプを出したりしてはいるのですが、生活習慣病を予防ということで体重にしたって歯にしても皆、記録としてはもちろん健康診断表にはあるにしても個人の健康づくりということにやはり児童生徒自身が活用していくということは意味があると思うのですが。現行では義務的なものは何もなくてやや弱い。

木嶋 本校では校務支援システムにより、パソコンに測定結果や検診結果を入力します。身長や体重は成長曲線として記録されます。個々に通知票と同じような形で保護者に渡し、6年間の記録として家庭で保管してもらうようにしています。さらに中学校へも引き継いでいます。

衞藤 子どもや保護者に自分自身の健康の記録はちゃんと活用できるもの、大切なんだということをわかっていただかないといけないですね。今ちょうど学校の健康診断が変わるという中で、平成28年度から座高は廃止ということになったんですけども、その代わりと言ってはなんですが、身長・体重に関してはお話になったようにちゃんとグラフ化して読む。成長の様々な問題点なり、あるいはちゃんと健康的に推移してきたということが確認できたり、そういう意味合いがあるので、座高がなくなる代わりに身長・体重の記録を活用するということにもっと力を入れようという方向になります。

木嶋 ぜひ先生にこのことにつきましてお伺いしたいと思っています。

衞藤 実際は複数のソフトウェアが出回っているわけで、細かな違いがありますのでそのへんはこれから健康診断のマニュアルを改訂と併行して、技術的なり、どういうふうに活用するかというのは、今後、マニュアルと共に解説をしていかないといけないですね。