第18回 Q&A「歯と口の健康づくり」

2.「歯・口の健康づくり」の課題と方向性

Q 学齢期の歯・口の健康づくりの課題と方向性は?

A. 発達段階に沿って子どもたちの持つ課題は変化します。幼稚園・保育園、小学校、中学校、高等学校、そして特別支援学校での課題をあげてみます。

  • 1)幼稚園・保育園
    • (1) よく噛んで食べる習慣付け
    • (2) 好き嫌いを作らない
    • (3) 食事と間食の規則的な習慣付け
    • (4) 乳歯のむし歯予防と管理
    • (5) 歯・口の清掃の開始と習慣化
    • (6) 歯・口の外傷を予防する環境づくり
  • 2)小学校
    • 低学年
      • (1) 好き嫌いなく,よく噛んで食べる習慣づくり
      • (2) 規則的な食事と間食の習慣付け
      • (3) 第一大臼歯のむし歯予防と管理
      • (4) 歯の萌出と身体の発育への気付き
      • (5) 自分の歯・口を観察する習慣付け
      • (6) 食後の歯・口の清掃の習慣化の自律
      • (7) 休憩時間等での衝突・転倒等による歯・口の外傷の予防
    • 中学年
      • (1) 好き嫌いなく,よく噛んで食べる習慣の確立
      • (2) 規則的な食事と間食の習慣の確立
      • (3) 上顎前歯や第一大臼歯のむし歯予防と管理
      • (4) 歯肉炎の原因と予防方法の理解
      • (5) 自分に合った歯・口の清掃の工夫
      • (6) 歯の形と働きの理解(歯の交換期)
      • (7) 休憩時間等での衝突・転倒等による歯・口の外傷の予防
    • 高学年
      • (1) 咀嚼と体の働きや健康とのかかわりの理解
      • (2) むし歯の原因とその予防方法の理解と実践
      • (3) 第二大臼歯のむし歯予防と管理
      • (4) 歯周病の原因とその予防方法の理解と実践
      • (5) 自律的な歯・口の健康的な生活習慣づくりの確立
      • (6) スポーツや運動等での歯・口の外傷予防の大切さや方法の理解
  • 3)中学校
    • (1) 咀嚼と体の働きや健康とのかかわりの理解
    • (2) 歯周病の原因と生活習慣の改善方法の理解と実践
    • (3) 第二大臼歯及び歯の隣接面のむし歯の予防方法の理解
    • (4) 歯周病や口臭の原因と予防等に関する理解
    • (5) 自分に合った歯・口の清掃方法の確立
    • (6) 健康によい食事や間食の習慣,生活リズムの確立
    • (7) 運動やスポーツでの外傷の予防の意義・方法の理解と実践
  • 4)高等学校
    • (1) 生涯にわたる健康づくりにおける歯・口の健康の重要性の理解
    • (2) 歯・口の健康づくりに必要な生活習慣(咀嚼,規則的な食事と歯・口の清掃等)の確立
    • (3) 歯周病の予防の意義と方法の理解と実践
    • (4) 自分の歯・口の健康課題への対応
    • (5) 運動やスポーツでの歯・口の外傷の予防の意義や方法の理解と実践
  • 5)特別支援学校
    • (1) 歯・口の健康の大切さの理解
    • (2) 歯・口の発育と機能の発達の理解
    • (3) 歯・口の健康づくりに必要な生活習慣の確立と実践
    • (4) むし歯や歯周病の原因と予防方法の理解と実践
    • (5) 障害の状態,発育・発達段階を踏まえた支援と管理の実践
    • (6) 必要な介助と支援の実践
    • (7) 歯・口の外傷の予防の支援と管理
    • ただし、前記の各学校段階等の課題も参考としながら、子ども一人一人の課題を把握して対応する必要があります。