第11回「保健室で知っておくべき精神保健の基礎知識」

3.その他(精神科受診)

Q.保護者へ病院(精神科)をすすめるときのコツというようなものがあれば教えてください。

A. その子どもの状態が教育現場での対応だけでは症状を悪化させる危険があるときに保護者へ精神科診療を進める必要が出てきますが、言い方としては、「教育の場だけの対応では時間がかかり、大切なお子様の成長発達の機会に遅れがでないとも限りません、医療機関で心理的検査などをして、具体的対応の仕方などをご相談になるのも一つの方法かと思います」という程度がよろしいのではと思います。

 

Q.自校の児童生徒が精神科を受診するに当たって、保健室で事前に準備しておいたほうがいいものというのはありますでしょうか。

A. 一つには、学校でどのような課題や異常があり、それがいつごろからどのように続いているかを簡単にまとめたもの、それに成績や家族の状況などがわかるものがあると助かります。小学校低学年程度までの子どもの場合は母子手帳も持参していただければと思います。ただ、それらには必ず保護者の同意を得ておいてください。

 

Q.昨今、うつ病の教職員が多いということなのですが、そういう先生方への声のかけ方とかポイントはありますでしょうか。

A. 教職員の先生方となると、大人の精神疾患であって、子どもの場合と対応がまた違ってきます。学校の先生方もストレスを多く抱えておられ、ストレス反応にうまく対応できず、うつ気味になったりされて養護の先生方にご相談することもあるでしょう。取りあえず傾聴し、休養を勧めるのが一つの方法ですが、現在、メンタルヘルスを扱う、精神科クリニックは非常に多くなっています。そこにストレスマネジメントを目的で通われる方は珍しい時代ではなくなっています。先生方の場合は自己の健康管理の一つの方法として、自宅や最寄りの医療機関に受診をすすめられたほうがいいでしょう。