第2回「プール時の保健指導・管理」

紫外線対策とゴーグル使用

並木 次に、中学生くらいになると、病気を理由にしてなかなか水泳をやりたがらないこともあります。小学生では逆に入りたがる子どもが多いのではないでしょうか。その辺の対応でのご体験を伺いたいのですが。

富永 小学校の場合は、紫外線に弱い子がいます。そういった児童は長袖を着させたり、なるべく皮膚を覆うようなものをまとわせながら水泳指導に参加させています。子どもは楽しみにしていますので、そういった配慮はしています。中には、寒冷蕁麻疹の子どももいて、本人はやりたいのですが、そういう場合は注意をさせ、万全の体制をとりながら指導に当たらせています。

並木 紫外線に特に弱い子どもの個々の対応は冊子*の中でも書かれています。その中でもできるだけ参加させていく方向ですね。いまはアトピーの子ども専門のウエアもありますが、ただ、特別扱いで指導する前に周りの子どもたちの理解が必要です。また、紫外線ということでは日焼け止めクリームの使用が昨今話題になっていますが、これも個々の子どもの状況によって対応して欲しいと言われています。

永田 私はプールサイドでの熱中症の認識ももってやらないと、だめではないかと思います。ほかにもゴーグルですが、冊子*では発達段階に応じてとあります。本校では、本人の使用に任せています。以前は使っていない子が眼を赤くして保健室に来る時もありました。目薬を保健室で養護教諭がさすというのは医療行為になります。養護教諭としてできること、自分でやれるように指導することなど、プール指導だけで関わる問題ではないですが、大変なところがあると痛感しています。

   これは女子の場合ですが、生理になると1週間ほど見学になります。生理が終わった後、見学していた距離を補講で補い参加したことにしています。また、ぜん息は発作が起きてない限りは、授業に出たほうがいいのですが、小さいうちからプールに入っていないと泳げなくて好きじゃなくなってしまい、逃げていく部分があって、なかなか学校生活管理指導表で書いてある部分と本人の申し出と違って困るというのが現状としてあります。

並木 永田先生のところは、養護の先生と体育科の先生との連携で把握できているので、それでも比較的スムーズに行っているほうではないでしょうか。中学の場合、授業日数が限られていますので休まれてしまうと評価できない。それを補う方法として、やられているので体育科として工夫されているなと思いますし、子どもたちも納得するのだろうなと思いました。ゴーグルですが、データ的にもかなり使っているようですが、小学校はいかがですか。

富永 私のところも含め周辺の小学校では、何らかの理由があった時に許可しているところが多いです。使用については、コスト的なところがあって、自由に持ってきていいとは言っていません。筆箱の中のシャープペンシルと同じように、家庭の経済的な問題も生じてくることもありますし、保護者からの申し出により判断しています。個人的には、使用する利点として眼の保護にもなりますし、自分のフォームも見られます。指導上、ゴーグルをつけるのは水なれの指導の課程もありますので、最初からは良いとは言いきれませんが、適宜考えながら許可するのはいいのではないかと思います。

永田 ゴーグルは眼科の学校医の先生が勧めています。眼疾患予防からつけるようにと言われています。

並木 眼科の先生のおっしゃっているプールは塩素濃度が高い一般の遊泳プールで、学校は塩素も一般のプールほど強くないし、回数も多くありません。経済的な部分も配慮が必要です。使用については個々の対応になると思います。

富永 たしかに度つきのものもあったりしてきりがないですね。

並木 個々のケースに合わせてですね。