第2回「プール時の保健指導・管理」

備えあってさらに万全を―心肺蘇生法、AED―

並木 では、続きまして、授業中の異変が起きた時などの対応についてはいかがでしょうか。

富永 小学校では、一クラスの授業はなく、学年単位で指導を行っており、職員会議等で話し合って学年単位で事故発生時の緊急体制をつくっています。応急処置は誰がやるとか、学校長、養護教諭、保護者への連絡、その他の児童の掌握などを分担して考えています。並木 永田先生はいかがでしょう。

永田 もちろん、職員会議で徹底はしていますが、例えば、プール指導で大事なAEDはプールサイドにはなくて、校舎の中にあります。それを取りにいくまでの時間とかまだ問題があります。心肺蘇生をする場合でも水で濡れているところもありますので、救急箱にはアルミシートはいれてあります。この本*によりますと、簀の活用とありますが、バスタオルや毛布なども確実に用意をしなくてはいけないとおもいます。先生方には、AEDの使い方など、毎年救命法を再確認をしていただいています。ほかにも記録の取り方など一式プールサイドに準備をしてありますが、やはり万全を期さなくてはいけないかなと思います。

並木 本会の会報では5月号で心肺蘇生法のガイドライン改正に関した特集を組んでおります。その中の帝京大学の坂本先生のお話では、プールサイドに携帯電話を常備して欲しいとありました。それはなぜかというと、プールサイドから職員室に行ってそれから連絡するまでに時間がかかります。インターホンで職員室とつながっているところもいまは多いようなのですが、心肺蘇生には少しでも早いほうが当然蘇生率も違ってきますので、できるかぎり早く救急隊が呼べるように、管理職の指示を仰ぐ以前にとにかく早く通報して、一次救急をしてもらいたいということでした。

(※心肺蘇生法ガイドラインが2010年に新しくなりましたので、ご確認ください)