第1回「健康診断」

初任の頃の失敗談

K この特集は主に年数のまだ浅い養護教諭にこれからの職務のヒントになるよう企画したものなのですが、これから養護教諭になろうとしている人たちにも養護教諭の実際の現場を知ってもらえればとも思っています。
そこで初任の頃を思い出して、なにか失敗談とかありますか。

B 歯科健診の時に、たしか35人学級の1年生だったと思うんですけれども、非常にざわざわしていて、注意しても注意しても落ち着かないので、つい、前日の耳鼻科健診で使った鼻鏡をペンチのように持って「歯医者さんに歯を抜いてもらうぞ」って脅しちゃったんです(笑)。そうしたら歯科医の先生にこっそり呼ばれて「歯医者は怖いというイメージを植え付けないでください」って言われてしまいました(笑)。初任だったのでもう平謝りで、もうその時点で穴があったら入りたかったのですが、そのあとに校長先生がいらして、やはりざわついている子どもたちに向かって「歯医者さんに歯を抜いてもらうぞ!」って同じことを言われたんです(笑)。忘れられない出来事です。

C 子どもたちを待たせている時、元気のいいクラスだと大変です。担任の先生はいてくださるんですけど、ちょっとその場を離れてしまうと騒がしくなってしまいます。ある時、心電図の検査で、スムースに検査が進むように保健便りで検査前に注意することを伝えて、担任の先生が指導してくださっていたのですが、わいわいがやがや騒いでなかなか健診の場所に来ないものですから、教室までいってしまい、声を荒げてしまいました。あとで謝りましたけれども、心優しい先生で、「いいのよ、どんどん言っても」って言ってくださいました。検査前にいかに子どもたちを退屈させずに待たせるかということは大きな課題ですね。担任の先生によっては本を持ってきて読書をさせるとか、計算ドリルをさせた先生にも巡り会いました。

A 歯科健診の時などは校医さんが言われたことを書いていかなければならないので、聞き取れないほどうるさい時は注意しますけれども、歯科の先生もうるさい時には注意してくださるので、そんなに困ることはありませんね。保健室は2クラス分くらいあるため2クラス同時に行っていますが、そんなに大騒ぎになることはないです。