歯と口からの健康支援

2.歯科保健分野のトピックス
  学校歯科保健の教育ITソリューション

(一社)日本学校歯科医会

理事 佐々木貴浩 先生

1. IT化歯科健康診断

現在、全国の各地でコンピューターを使用したいわゆるIT化歯科健康診断の取り組みが行われています。それにより、健康診断が省力化を図られたり今までの健康診断では不可能であったことが可能になったり、IT化ならではの工夫を施したシステム(いわばスマート学校歯科健康診断)が開発されています。今回は、一例として瑞浪市立小中学校(岐阜県)で、10年以上の運用実績がある“あすなろ健診”(日本学校歯科医会推薦品)というアプリケーションソフトを導入し使用した感触より、健康診断のメリットと導入にあたっての留意点を記載いたします。

*IT化のメリット

  • 検査者と記録者の双方で前回記録と検査内容の確認が可能になる
  • 転記などによる誤記を防ぎ、手間なくデジタルデータ化が可能になる
  • 時間を要する詳細な所見欄の検査記録作成が短時間で可能になる
  • 健康診断結果のお知らせ書類作成が、検診の当日にできるようになる
  • 健康診断結果のクロス集計が簡単に短時間で作成できるようになる

*導入にあたっての留意点

  • ソフト購入代金の確保
  • 導入についての関係者間の合意と理解
  • ハードの準備

2. 学校歯科保健の教材に役立つホームページ

ⅰ(一社)日本学校歯科医会では、「歯・口の健康教室」「学校歯科保健指導用資料:むし歯予防大作戦、歯肉炎予防大作戦」などを公開しています。(図1

これらサイトでは、学校歯科医の専門団体が運営していますので、学校歯科保健に関することが詳しく掲載されています。パワーポイント(ppt)のファイルがダウンロードできるなど、学校歯科医がゲストティーチャーとして活動するための仕組みも用意されています。その他のサイトでは、学校歯科保健関係の様々な情報が掲載されています。


(図1)

ⅱ(公社)日本歯科医師会では、「お口のことなら何でもわかる:テーマパーク8020」「よ坊さん」などを公開しています。(図2

これらサイトでは、国民を対象として保健指導の専門家でなくても、生涯に渡る歯や口の健康に関する情報を調べられるようになっています。「テーマパーク8020」には、幅広い全ライフステージの事柄についての内容を掲載していて、「よ坊さん」には、アニメやゲームがあるなど子ども向けの内容を掲載しています。


(図2)

ⅲ(公財)ライオン歯科衛生研究所は、学校歯科保健の知識や教材に役立つコンテンツを提供する「歯みがKids」を公開しています。

このサイトでは、保健指導者の方、保護者の方、小学生向けと対象別に内容を分け、小学生への歯みがき指導に活用できる教材をはじめ、学校の保健指導に活かせる知識やコンテンツと、その他に自ら学習できるページや、保護者の方に向けてのコンテンツが掲載されています。(図3


(図3)

これらのサイトはぞれぞれの団体から、学校歯科保健の教材、国民への啓発、小学生の教材と保護者の方の利用などを考慮して提供されています。目的に合わせ、いろいろな場面でご活用いただくことで、学校歯科保健が更に充実することが期待されます。

3. インターネットを利用した教育イベント

・全国小学生歯みがき大会

小学生の歯と口に対する健康意識を育てることを目的に、毎年「歯と口の健康週間(6月4日~10日)」に合わせて開催しており、1932年に第1回大会を開催してから今回で73回目を迎えます。この大会は、小学生に歯と口の健康に関する「気づき」を与え、健康意識を育むことに重点を置き、クイズや実習を交えて楽しく歯と口の健康の大切さを学べる場としています。2009年からインターネット配信を開始し、日本全国から参加できるようになり、また海外からの参加もできるようになりました。参加者数はここ数年でグラフ1のように拡大してきています。2016年の大会では1,729校、90,000名が参加し、大会開始より述べ1,082,182名が参加しました。学校歯科保健に関する全国で最大規模の教育イベントといってもよいでしょう。


(グラフ1)