第10回 児童生徒の保健委員会活動事例
 

〜プレゼンによる発信力〜
「創意工夫し、みんなに大切なことを伝えよう」

兵庫県神戸市立小部東小学校
行實 幸代

 

 児童自らが学校生活をより豊かなものにする委員会活動の中で、本校の保健委員会は健康を守り増進させていくことを全校児童に発信する役割を担っています。活動予定は月1〜2回、年間で15回の実施を計画しています。
 その委員会活動を通して保健委員会の児童自らの学びとなるように、目指すポイントを次の3点に留意し、進めることにしています。

(1)児童の創意工夫があること
 伝達発信する内容を相手に分かりやすくするために、模型やパネルを作成するなど、その媒体に自分たちの工夫やアイデアを入れることで、自信をもってみんなに伝えたいという意欲へと結び付けます。

(2)大切なことを伝える使命感をもつこと
 学校生活の中でみんなに役立つ情報を伝える役目を担っているという自負は、誇りや自己肯定感につながります。

(3)友達と協力して活動すること
 本校の委員会活動は、5、6年生の高学年の異なる学年による集団組織です。一人一人の特性や長所を認め合いながら活動することによって、よりよい人間関係を築き、保健委員会に所属する一員としての自己有用感を味わうことができると考えます。
 この3つのポイントを踏まえ「全校児童に発信するという活動」を、学校保健委員会での発表を中心に取り組んでいます。

 

学校保健委員会における児童保健委員会の役割

 児童保健委員会では、毎年学校保健委員会でプレゼンテーションを行っています。その年のテーマに合わせ、学校医・学校歯科医・学校薬剤師・学校カウンセラーの助言を受けながら、参加した児童・保護者・学校教職員・地域の方の驚きや感動につながるような情報提供や資料提示を行っています。

 

テーマ:「話していますか? “ホントの気持ち”」 (H22年度)
ねらい:「家族と話すよさを知り、本当の気持ちを相手に伝えることの大切さに気づく」

 家族との日常会話による関わりが子どものサポートに重要であり、家族が子どもにとって本当の気持ち“ホンネ”を語ることができる一番の存在(絆)であることを確認する取組です。

(1)「家の人と話をしている方が悩みを相談しやすいのはなぜだろう。」

(2)「家の人と話をしているとどんな気持ちになるのか。なぜ、そのような気持ちになるのだろう。」
 2つを討議の柱として、保健委員会の児童はその解決に導くためのプレゼンを行いました。
 家の人と話をしているとき、いったい心(脳)の中ではどのようなことが起きているのか、「家の人と普通に会話をしているときやほめられているとき」「家の人と会話をしながら叱られているとき」「家の人に話しても無視をされているとき」の3つのパターンに分け、保健委員の児童たちでシナリオを作り、劇で表現しました。さらに、前年度の全国学力・学習状況調査の結果において、家の人と学校の出来事について「話している人」と「話していない人」では、その点数に大きな違いがあったことを工夫を凝らしコミカルに発表していました。
 自分たちの作ったシナリオや結果発表など、学校のみんなが知らなかったことを分かりやすく伝えることに、どの児童も楽しみながら生き生きと取り組むことができていました。

 

テーマ:「教えて、大澤先生!」 〜歯を大切にするために〜(H23年度)
ねらい:「歯みがきの大切さを知る」

 歯科校医の大澤先生に、歯肉炎にならないためには日常生活の中でどのようなことに気をつけるとよいのかを具体的に助言をいただく取組です。
 保健委員会の児童は、歯みがきの実態調査を行い、調査結果を発表し、さらに健康な歯肉と病気の歯肉の違いについて大きな模型を作ってその見分け方を分かりやすく説明していました。
 学校保健委員会後、自分たちで実態調査を行ったところ、以前より歯みがきをする児童の割合が増えていました。その結果を知った瞬間、児童たちは思わず拍手をし、取組の成果を喜び合う姿がありました。
 学校保健委員会における取組の他にも常時活動の中で健康に関わるポスターを作りPR活動を行ったり、放送で呼びかけたりするなどの取組があります。このような健康に関わる情報発信を行うことは、その過程において児童自らが情報収集しながら、知らなかった情報はもちろん、今まで当然のように知り得ていた内容でも、その詳しい理由や裏打ちとなる根拠に触れることになります。そこには伝えようとする児童自身の学びがあり、さらに知り得た新しい知識を他へ伝達できる喜びや使命感、達成感が伴うと考えています。

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