第9回「保健室における知っておくべき薬の知識」
 

 緊急時の心肺蘇生や体外式自動除細動器の使用などを除き、法律上医療行為が認められていないので、学校の保健室では、取り扱う薬についても事前に検討を要します。

 そこで、今回は、前文部科学省スポーツ・青少年局の健康教育調査官で兵庫教育大学大学院教授の鬼頭英明先生をお迎えし、薬の知識と学校で取り扱う薬・薬品についてお聞きしました。

(聞き手・文作成/日本学校保健会事務局)

インタビュー:兵庫教育大学大学院学校教育研究科
教授 鬼頭 英明 先生

 

1.薬の知識

――医薬品の種類にはどんなものがありますか?

――医薬品と医薬部外品の違いについて教えてください。

――薬局やドラックストアで手に入る一般的な薬でも子どもに使えない薬があると聞きました。どのような薬がありますか?

――ぜんそくなどの持病のあり、学校に数種類の薬を持参している児童生徒がいますが、養護教諭や教員にとってはどれがどんな薬かわかりません。簡単な見分け方などありますでしょうか。

1.薬の知識

――医薬品の種類にはどんなものがありますか?

鬼頭 医薬品には、医療用医薬品と一般用医薬品があります。
 医療用医薬品は、原則として、医師、歯科医師の診断に基づく処方せんが必要で、薬局において薬剤師から購入可能となるものです。
 一般用医薬品は、原則として「薬局」や「薬店・ドラッグストア」において薬剤師等の医薬品の専門家の助言を得るなどして、自らの判断で購入可能となるものです。具体的には第1類から第3類まで安全性に配慮して分類されています。

――医薬品と医薬部外品の違いについて教えてください。

鬼頭 薬事法により、医薬品は病気(疾病)の診断、治療または予防に使用されることが目的とされているもののことをいいます。一方、医薬部外品は積極的に治療に用いられるものではなく、吐き気などの不快感、あせも、ただれなどの防止を目的として使用されるもの、口臭、体臭、脱毛の防止、育毛、除毛などの美容目的に使用されるもの、人体に対する作用が緩和なものを指します。

――薬局やドラックストアで手に入る一般的な薬でも子どもに使えない薬があると聞きました。どのような薬がありますか?

鬼頭 アスピリン製剤は、15歳未満の子どもが使用した場合には副作用が現れる可能性が報告されていますので使用することはできません。解熱鎮痛剤では、よく似た名称にもかかわらず使用できる対象年齢が異なるものがありますので、医薬品の外箱や説明書に書かれている使用可能な対象年齢を確認する必要があります。インドメタシン製剤は、消炎鎮痛の目的で使用されますが、配合されている成分が異なったり、インドメタシンの量が異なったりなどの理由で、製品によっては11歳未満の子どもは適用外であったり、15歳未満が適用外であったりしますので、詳しくは外箱や説明書に書かれている用法・用量の説明をよく確認する必要があります。
 なお、詳細については学校薬剤師の指導・助言を得るようにしてください。

――ぜんそくなどの持病のあり、学校に数種類の薬を持参している児童生徒がいますが、養護教諭や教員にとってはどれがどんな薬かわかりません。簡単な見分け方などありますでしょうか。

鬼頭 簡単な見分け方はありません。ぜんそくの持病のある児童や生徒が学校に持参する医薬品は、おそらく医療機関で医師の指導の下に処方され服用するように指導されたものと考えられます。学校は、子どもの健康状態について当初から共通理解を図ることが大切です。学校に持参しないといけない医薬品がある場合には、保護者からその旨を学校にも知らせていただくようにしましょう。

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