第8回「学校保健委員会の立ち上げを巡って」

評価とチェック

衞藤 ほかの学校の保健委員会を見て参考になることは、例えばどういうことですか。

濁川 内容です。一番はこういうことなんだというのと、参加している方の職種など、こういう方を呼んでいるのだということが分かることが大きいと思います。

櫻井 私は何よりも養護教諭の不安の解消になると思います。本当にこれでいいのだろうかという不安を抱えたままやっている先生が多い気がします。

濁川 最初に言ったように、学校保健委員会として保護者と一緒に何かやるということはなくて、2学期からテーマを決めて発表すると、健康課題で自分たちが活動していることと全く違うこともあるわけです。そうすると、最低3回はしないと無理があると自分の中で思うこともあります。ただ、3回やっているところも、実際には多分1回目は健康診断、2回目は講演会か何か、3回目は生徒の発表など、全く違うテーマで動いているところも少なからずあるだろうと思うと、本来の学校保健委員会の有りようとは何かと考えてしまいます。

衞藤 これでいいのかなという話は、まさにチェック、評価です。そのきっかけとして他校のものを見るという話もありましたが、その辺の振り返りといいますか、評価というかチェックの話はいかがでしょうか。

濁川 学校評価を取っていますので、今年度から健康の項目に「学校の中で健康についてこんなことを子どもたちに伝えていますか」という表現を入れています。あとは、先生方に学校保健委員会でまとめたものをお配りして、「子どもはよく発表していたね」とか言っていただけると、子どもはまた頑張れます。

櫻井 外からの評価はしてもらっていませんが、保健部として何人も保健室の中に先生がいたり、学校保健委員会のことで話したいと言って集まってもらって話をしたりすることができる状態にあります。
 濁川先生が大変だなと思うのは、保健主事であり養護教諭だということです。高校はもちろん兼ねている方もおられますが、大きな学校は基本的に例えば教科の先生方が保健主事に入ってくれることが多いのです。そうするとその先生が、自分の仕事であると思いながら、保健委員会のことや計画のこと、職員会の提案などもしていくわけなので、私たちのような専門職でない方の目が確実に入るというのがすごく大きいです。
 評価としては、きちんとした書面で何か評価を取ることはなかなかできていませんが、次回はもう少し分かりやすくとか、もっと子どもたちが目に浮かぶような会にしようということをいつも考えて、みんなで話をしています。

濁川 書面で評価を取らなくても、先生のように終わった後にみんなでワイワイ言いながら、本音でこうだったねと言ってもらうのが一番いいと思うのです。書面で○をくれても、実際はどうかなと思う点もありますから。
 私は教務主任の先生に「こういう話でよかったね」と言われて、それでOKみたいな感じです。校長先生は校長先生のお考えを言ってくださいますが、一般の先生は給食主任さんや安全主任さんですので少し視点が違うので、「子どもたちはよく発表できたね」ということで、内容にはあまり触れません。そういう意味では少し寂しいなと今感じました。

増山 本校の場合、学校保健委員会自体は、ただのきっかけと最後のまとめの会なのです。年間を通して、児童保健委員会の子どもたちはすごく頑張るのですが、自分たちだけでポスターを描くなど活動していると、結局、1年生や2年生が今年の学校保健委員会のテーマが何だったか知らないというような状況になってしまうこともあり、それでは全然子どもたちは変わっていけません。
 評価とは、今年は姿勢のことがテーマだったとしたら、どこの教室に行っても、授業を始める前に子どもたちが「みんなで良い姿勢をしましょう」とか言ってから授業を始めているとか、けがのことがテーマなら、「廊下を走っては駄目だよ」というのが1年生からも聞こえるようになっていて、それを保護者が見ていて、「今年は随分けがが減っていますね」と言っているとか、そういうことだと思います。

櫻井 もう一つすごく気を付けていることに、保健部だけが頑張っているということにならないようにしたいということがあります。今年本校は薬物乱用防止に力を入れようと年間テーマのような形で決めて、学校保健委員会もそのテーマでいくという形にしていて、先日も薬物乱用防止の講話を開催しました。もちろんこれが7月の保健委員会のテーマになっていくのですが、さらに生徒指導の先生には、夏休み前や朝会などで話をしてもらうとか、クラスの担任には、「昨日のニュースでもやっていたように」という話が少し出るとか、体育の授業のときに「この間の講話でもこうあったように」と一言先生に言ってもらえるように根回しをします。とにかく薬物乱用防止をいろいろなところで聞いたなと生徒が思えるように、いかに周りを巻き込むかというのを一緒になって考えていけると、保健部だけが頑張ったようにならなくていいのかなと思います。

増山 私も養護教諭になりたてのころは、いろいろな資料を調べて、子どもや保護者のアンケートなどデータをたくさん集めて、グラフにして、やっと作り上げた分厚い資料を説明して終わるみたいな学校保健委員会をやっていました。泣きながら資料を作っていましたが、作った割には全然浸透しませんでした。

濁川 若いころは資料がたくさんあると安心するのです。それがだんだん資料はなくとも反応を一番大事にしたいという感じになってくるのですが、反応がどうかなというのは心配なまま終わっています。
 年に2回くらい発表の機会をいただいて、子どもたちは保健委員会で発表する前に全校生徒の前で発表させてもらいます。一つは学校保健委員会のときの発表のものを生徒に発表してもらい、学校保健委員会のまとめを私が作って全校に配付します。保護者会で参加した保護者の方が発表するというのが本来なのですが、発表していなくても仕方がないなと思って終わりにしています。年度の初めに担当の人にはお願いするですが、最後のまとめはあきらめているので、いけないなと思います。

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