学校欠席者情報収集システムの活用事例(鳥取県・高等学校)

学校欠席者情報収集システムの活用事例(鳥取県)学校欠席者情報収集システムを導入して可能になったこと

学校感染症等情報収集システム委員会委員
高等学校養護教諭 西尾美由紀

1 感染症による欠席者をその日の午前中に関係者で共有可能

 

共有できる関係者
(校内)管理職、学年長、保健部:システム共有者
(校外)学校医、県教育委員会、保健所、県医師会等、国立感染症研究所 等 

 

導入前

導入後

校内

 

健康観察結果を毎朝ペーパーで回覧していた。 朝の健康観察の結果を保健室で朝10時までに入力。
この段階で関係教職員(管理職と学年主任の計6名)が今日の感染症の流行状況を把握でき、早期対応を図ることが可能になった。
校外
学校医:感染症流行状況を電話で報告して指示を受ける。
設置者(県教育委員会)
出席停止者・・名簿を数日分まとめて提出。(タイムラグ発生)
臨時休業・・直ちにファクシミリにて報告。
保健所:出席停止者・・設置者経由で保健所へ書面報告。
臨時休業・・学校からファクシミリ報告。
学校医:入力と同時にデータが共有され、迅速な指導助言を得ることが可能。
設置者:出席停止者・・入力と同時に報告完了。
ペーパーによる報告不要。
臨時休業・・システムに入力とともにファクシミリで報告。(迅速な報告が可能)
 
保健所:出席停止者・・システム入力のみ(情報共有)
臨時休業・・システムに入力すると共にファクシミリで報告。(迅速な報告が可能)

<エピソード1(システムを共有している養護教諭どうしの会話から)> 

小学校・中学校・高等学校の養護教諭が一緒に行っている自主研修会(12月上旬の土曜日)の休憩時間に中学校の養護教諭から、「今、〇〇中学校区でインフルエンザが発生しているみたいなので、気を付けないといけないね。」と発言がある。これを受けて他の養護教諭からも、「そうそう、本校ではまだ発生していないけれども、今年は流行が早いわね。」と、過去のデータも認識しながらの会話があった。話をしている全ての養護教諭が、昨日のシステムの流行状況を思い浮かべながら会話をしており、システムの情報を共有していることが当たり前の本県ではこのような会話はめずらしくない。

<エピソード2(保健所から助言をいただいた時のこと)> 

数年前に本校で生徒と教職員に風疹が流行した。対応について保健所に伺った時には、お互いにシステム画面を見ながら助言をいただいた。数日後、感染者が減少してきたことについて再度電話をした際にも、毎日の推移を見ていると話された。データ入力することで、設置者のみならず保健所も管内の学校の感染症状況を見てくださっていることに心強さを感じた。

2 地域や全国の今日の流行状況を把握することで早期対応が可能

システムにより校区、県、全国の今日の感染症の流行状況を知るができる。このことにより、感染症の早期対応が可能となる。また、県内や全国の状況を提示して、部活動で遠征する場合の注意喚起情報ともなっている。

更に、テレビのdボタンで県内の今日(過去1週間)の流行状況を知ることができ、システムに直接アクセスできない保護者等も、地域や県内の流行状況を把握することが可能になった。(dボタンについては保健室だよりで周知を図っている)

 

<エピソード3(職員朝礼での連絡内容)> 

インフルエンザの流行を受けて、本校の様子と地域の流行状況を職員朝礼で連絡し感染予防を行っている。「昨日のインフルエンザによる欠席は○人で、県内児童生徒の感染者は○人です。校内でも増えていますが、県内でも日に日に増加していますので、部活の練習試合等をされる場合の参考にしてください。」と、県内の昨日のインフルエンザ状況を提供することができる。ちなみに、システムが無い時は、タイムリーな情報提供は不可能だった。

3 感染症の状況を生徒及び教職員と共有できるデータを簡単に作成可能

システム稼働当時(本校は平成21年)からの、感染症発生状況のデータを取得することが可能であり、保健室だより等の資料が簡単に作成できる。(右記グラフ参照)

また、流行時期にはその日の正午に、「今日の県内の感染症状況」として職員に情報提供が可能になり、全教職員で感染予防の迅速な対応を行うことができる。また、より説得力のある資料が提示できる。

4 生徒だけでなく教職員の感染症状況をデータ入力することで校内全体の感染状況を把握可能

本校の場合、生徒の入力は保健室が、教職員の入力は管理職(教頭)が行っている。システムが無い時の感染者数は生徒の人数で考えることが多かった。本校は教職員数80名弱であり、保健室で出勤欠勤を全て把握しきれない。まして欠勤理由は管理職しか知りえない。システムを導入して教職員の感染者数も正確に計上できるようになり、学校全体の感染状況を把握することができる。教職員も含めた対応を行うことが可能になった。

5 人事異動があった場合でもシステムの入力は容易であり、異動したその日に勤務校の過去の感染症の流行状況を把握して対応することが可能

独立行政法人スポーツ振興センターのデータ入力と同じように、県内全ての学校が本システムを使って感染症状況を入力している。人事異動があった場合でも、全ての養護教諭や入力経験のある教諭はすぐに入力することが可能である。また、異動した学校の過去の感染症流行状況をもすぐに閲覧でき、所属校での感染症対策を早期に的確に実施することができる。

掲載日時:2015/01/22   

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