学校欠席者情報収集システムの活用事例(茨城県教育委員会)

学校欠席者情報収集システムの活用事例(茨城県)学校欠席者情報収集システムの活用事例(茨城県)

茨城県教育庁保健体育課
主査 長洲 敦子

本県では,平成21年の新型インフルエンザの流行を機に公立学校で本システムを導入し,現在は,認可保育園及び私立学校の一部でも活用している。

[活用状況]

<1>情報の活用

本システムに入力した情報は,システム上自動的にグラフ(罹患率・流行曲線)化や地図化されるため,視覚的にも発生動向を確認しやすい。また,インターネットを活用しているシステムであるために,各学校等では,近隣の地域の感染症発生動向をリアルタイムに把握できる。

これらの情報は,職員会議等で伝達されることにより,全教職員共通理解の下,幼児児童生徒(以下「生徒等」という。)や保護者に対して,感染症発生早期に注意喚起を行うことが可能となった。

このため,各学校等においては,本システムにより得られた情報を独自に活用し,生徒等向けに流行状況を印刷し,黒板等に掲示したり,校内放送を行い,効果的に注意喚起を行っている学校もある。学校内で流行していなくても,近隣学区の状況を伝えることで,危機感をもって感染症対策を行っている。特にインフルエンザ流行期には,週明けに休みが多いデータを示し,休日の過ごし方について指導を実施したり,保護者に対しても,本システムから得られたデータを盛り込んだ「保健だより」を発行し,家庭での過ごし方についての注意喚起に活用している。

また,熱で欠席する生徒等の保護者に対しては,医療機関受診の際の参考として,市内のインフルエンザ発生状況の情報を提供したり,インフルエンザの臨時休業期間を決めるにあたって,その学校の過去の流行状況をシステムで確認して参考にしている学校もある。

<2>感染症対策部門との連携

本県では,毎日,保健所が管轄の学校等の感染症の発生動向を,システムにより確認している。このため,集団発生する前に,感染症による欠席者が急増した段階で,保健所から学校等に確認の連絡が入り,直近の状況も把握している保健所からのアドバイスにより感染拡大防止策がとられるようになった。特に,感染性胃腸炎などの場合には,本システムによる早期対応が有効に機能している。

<3>学校医との連携

本システムに,学校医のパスワードを登録すると,学校医は,学校等と同様の画面で,所管の学校等の感染症発生動向をリアルタイムに確認できる。出席停止の登録・欠席者の急増・臨時休業の措置が入力されると,学校医にメールが届く機能もある。出席停止や臨時休業の措置を行う際に,通常であれば学校医に相談するところであるが,このシステムを活用することにより,欠席者の急増を把握した学校医の方から学校に連絡が入り,臨時休業の措置をすすめられる例もでてきた。

<4>オンラインによる書類作成

学校保健安全法に基づく出席停止や臨時休業の措置についての報告書類の作成は,本システムに日々の入力をすることによって,オンラインで簡単に行えるようになった。

[まとめ]

本システムの導入により,学校等は,自校のみならず地域の感染症の発生動向もリアルタイムに把握することができ,感染症発生予防対策として役立てている。また,学校医や感染症対策部門との連携により,専門家のアドバイスを受け,感染症拡大防止にもつながっている。

今年度は,養護教諭研修会において,活用事例に重点をおいた説明を行ったり,県医師会において,学校医パスワードの活用等についての依頼をあらためて行ったところであるが,更なる活用を促し,感染症の拡大防止につなげていきたい。

掲載日時:2015/01/22   

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